HTML5の本質

クライアントサイドへの負荷分散、クライアントの責務の増大
(クライアントでできることはクライアントでやる)による
サーバーサイドへの負荷集中の緩和がHTML5の設計の根底に
あると思う。


現行のHTMLは99%文書共有に特化し設計されているため、クライアント
であるブラウザの役割はビューのレイアウト及びビューの加工のみに
限定されてきた。


HTMLの設計当初は文書共有が主題であり、WEBアプリのプラットホーム
としてHTMLを使うことは全くと言っていい程、想定されていなかった
ことに起因する。


この結果、WEBアプリはクライアントサイドの小負荷に対し、
サーバーサイドに負荷が集中する構造にならざるをえなかった。


近年、WEBアプリの大規模化により、サーバーサイドへの負荷の集中が
一気に進み、サーバーサイドにおける負荷分散により対応しているもの
の、WEBアプリの高機能化を更に押し進めるにはサーバーサイドへの
負荷集中がネックになりつつある。


今後のWEBアプリの更なる発展のためにはサーバーサイドへの負荷の
集中を減らすことが必要不可欠であり、そのためにはWEBアプリの
プラットホームを根底から組み換える必要がある。


サーバーサイドへの負荷集中を軽減するには、有り余っている
クライアントのリソースを有効活用するのが一番の近道。


それに気づいたエンジニアがHTML5の前身となる仕様の策定を
数年前に開始した。


クライアントに負荷を分散することにより空いたサーバーサイドの
リソースはWEBアプリの利便性の向上のために割り当てることが
できるようになる。サーバーリソースへの現状より少ない投資で
大規模WEBアプリの構築が可能になる。


グーグルはHTML5のその前身からの仕様策定の中心人物を自社に
スカウトし、HTML5を推進している。Chromeの開発もHTML5
根底にある思想を実現するための布石。実現にはクライアントサイド
への負荷分散によるWEBアプリの処理の遅延をロースペックのマシン
で最小限にする(ユーザがもたつきを感じない程度にする)ことが必須
であり、その実現のために自らがブラウザを開発しブラウザの
パフォーマンスの牽引役となっている。


推敲中...。


HTML5のローカルストレージ機能はWEBアプリがその利便性を高める
ために個人情報を収集する機能を内包する事によるWEBアプリサプライヤ
への懸念に対する回答という側面があるように思う。


今まで個人情報をサーバーサイドに保存する実用に足る手段がなく、
個人情報をサーバーサイドに格納するしか道はなかった。


HTML5へのローカルストレージ機能の導入により、個人情報を
クライアントサイドに保存する手段がHTML5に準拠する全ての
クライアントに実装されることになる。


将来的には個人情報のローカルストレージへの保存がデフォルトになり、
サーバーサイドのシステムはユーザ固有のIDを介してローカルストレージ
から個人情報を読み取るように、WEBアプリが設計されるようになる
のではないかと思う。


ユーザが自身の個人情報を管理しやすいようにHTML5クライアントには
ローカルストレージ参照(管理)用の機能が実装されることになるだろう。


推敲中...。


#この文章には証拠を揃えた上で書いたわけではありませんので
#悪しからず。著者としてはこの文章は真実からかけ離れていない
#というか真実に近いところをついているのではないかと
#思っています。