コンテンツプラットホームとしてAndroidが成功しないと断言できる理由

理由その1.
 ネイティブコードが実行できない。
 全てのアプリはDalvikVMを介して動きます。
 DalvikVMを介して自作のネイティブコード
 (ライブラリ)にアクセスする手段は提供されていますが、
 ゲーム系等のパフォーマンスの要求されるアプリでは
 フルネイティブコードでないと実用的な処理速度を
 たたき出せません。


 iPhoneは当初JavaScript+HTML(5?)でのアプリ開発
 が想定されていましたが、ネイティブコードでのアプリ
 開発の要望がソフト開発者から多く寄せられたため、
 フルネイティブコードの開発環境の提供にシフトしま
 した。


 Androidでは現状において携帯アプリに毛が生えたレベル
 のゲームアプリしか作成できません。
 (アプリをネイティブコード(ライブラリ)メインにすれば、
 フルネイティブコードに近いパフォーマンスをたたき出す
 ことが可能だとは思いますが、その場合、端末依存となり、
 多くのユーザにアプローチするために複数端末に対応しよう
 とすれば、端末毎に対応したネイティブコード(ライブラリ)
 が必要となります。)


 ハンドヘルド機器ではゲームがキラーコンテンツとなる
 場合が多いことを忘れてはいけません。


理由その2.
 OHA等によるハードウェア仕様に関する約束事がない。


 ハードウェア仕様が任意であり、統一されていない。
 ある端末にはハードウェアキーボードがあり、
 ある端末にはない、ある端末はタッチパネルで、
 ある端末はそうではない。
 ユーザ毎に異なる嗜好に応えると言えば聞こえはいい
 が、ソフト開発プラットホームとしては最悪。
 ゲーム等ソフトウェアのサプライヤサイドから見れば、
 仕様の少しずつ異なる似て非なる端末が端末ベンダ毎
 に存在し、ユーザに一律の操作性を提供することが
 難しい。画面の解像度1つにしても端末依存。


 PSPDSi等の携帯ゲーム機では操作性の統一や
 ソフト開発費の抑制が重視されているので
 端末仕様の変更は世代交代のときのみ行われる。
 (携帯ゲーム機はゲームメインのコンテンツ
 プラットホーム)

 
 仕様の少しずつ異なる似て非なる端末の存在は
 サードパーティのソフト開発にしわ寄せがゆき
 ソフト開発費用の高騰に繋がる。その結果、
 ソフトの値段が上がり、ユーザの不利益になる。


 Android端末ではより多くのユーザにアプローチ
 しようとすれば、仕様の少しずつ異なる似て非なる
 端末多数の存在をソフトサプライヤが許容し、
 それらへの対応に掛かる費用を負担する以外に
 道はない。

 
 ソフトサプライヤにとって仕様の少しずつ異なる
 似て非なる端末多数への対応は重荷であり
 ユーザ数の多い特定の端末のみにコミットする
 可能性もある、その場合には端末ベンダ毎に
 サードパーティが分割される。ユーザにとっては
 興味のあるソフトが所有する端末では動作しない
 ケースが出てくるので不利益。


 携帯端末とパソコンは違う。パソコンはマウス
 (orマウス相当のポインティングデバイス)と
 キーボードのコンビでUIを統一したことで
 成功した。どのパソコンにもこのコンビが
 付いている、このコンビが存在することを前提に
 APPコンテンツを設計できることがパソコンの
 コンテンツプラットホームとしての成功に繋がった。


理由その3.
 Androidライセンスフリーとして世に送り出した
 Google自身がAndroidをコンテンツプラットホーム
 として育てることに興味がない。


 GoogleAndroidで意図するのは携帯端末の性能を
 HTML5+関連仕様に基づいて作成されるサイトを
 ストレスなく閲覧できるレベルにまで引き上げること、
 AndroidGoogleにとって携帯端末の性能の底上げと
 HTML5+関連仕様をサポートしたブラウザ(エンジン)
 のモバイル領域での普及のための道具にすぎません。


 Googleの運営するAndroidマーケットはGoogle
 とって収益源ではなく、Android版APPストアの
 雛形兼デモサイトにすぎません。
 GoogleにとってAndroidマーケットに積極的に
 資金を投入する理由がありません。


 Androidがコンテンツプラットホームとして成功
 するためには、コンテンツマーケットとしての
 Android版APPストアが重要であり、キャリアに
 束縛されない存在であることが不可欠。


 Androidではキャリアが自社端末用のAPPストアを
 運営する兆しがある。キャリアによるコンテンツの
 囲い込みがAndroidのコンテンツプラットホームと
 しての成長を阻害する気がする。


理由その4.
 APPストア(Apple)の存在。


 ソフトサプライヤはAPPストア(Apple)での
 類似商品の商品価格を考慮した上で
 Android版APPストアで販売する商品の
 商品価格を決定せざるをえない。
 

 Android版APPストアでの販売価格がAPPストア
 (Apple)より割高の場合、コンテンツの購入に
 積極的なユーザがトータルで考えると割安な
 iPhoneに流れる可能性が高い。


理由その5?.
 参入障壁の低さ。


 Macでのみ開発環境を提供しているiPhoneでさえ
 同種のソフトが多数APPストアで販売されています。


 WindowsMacLinuxのどの環境でも開発を
 行える、Androidの参入障壁の低さはこの比では
 ありません。


 現在、まだ、Android搭載端末の台数が参入を決定
 させるほどの規模ではないので、参入している
 サプライヤは少ないですが、台数が出れば、iPhone以上
 に同種のソフトが多数、販売される状況になります。


 Androidマーケットが類似アプリの少ない(健全な?)
 コンテンツストアになるという考えは明らかに間違い
 です。


 キャリアの運営するAPPストアでは類似アプリの販売に
 何らかの制限が加えられるかもしれません。このような
 制限が加えられたストアが健全でないのは明らかです。


 Amazonは類似の商品を多数扱っていますが健全でない
 ストアではありません。類似アプリが少ない状態を健全
 だとする人間もいるようだが、その考えは明らかに間違い
 で、類似の商品が多数販売されているストアのほうが健全
 です。類似商品が少ないということはそこにストア側の
 何らかの思惑が働いているということです。


理由その6.
 Androidプラットホームに対してGoogleがリソースを
 割き続ける補償がない。


 上にも書きましたが、GoogleにとってAndroidプラット
 ホームはHTML5対応ブラウザのモバイル分野での普及
 のための道具にすぎません。


 ところが、AndroidプラットホームはGoogleを必要と
 しています。Googleが推進すればこそ賛同する会社が
 あります、Googleが推進すればこそAndroid端末を
 購入するユーザがいます。


 GoogleというブランドがあってこそのAndroid
 プラットホームです。


 HTML5+関連仕様をサポートしたブラウザ(エンジン)
 の搭載がモバイル領域で当たり前になりGoogle
 Androidプラットホーム推進の目的が達成された後、
 GoogleAndroidプラットホームの発展にリソースを
 割き続ける事を放棄すれば、Androidプラットホーム
 は間違いなく失速・衰退します。


 Googleの目的が達成された後、Android部門は十中八九
 Googleから分離され、独立した企業に戻ります。
 Googleというブランドを失った後、Androidプラットホーム
 が急進力を維持し続けられるとは思えません。


 AppleM$のようなプラットホームベンダは構築した
 プラットホームから収益を上げるビジネスモデルを
 とっています。このビジネスモデルにおいて収益を
 上げ続けるためにはプラットホームの継続的な発展に
 対する投資が不可欠です。時代遅れのプラットホーム
 からは収益を得られません。


 プラットホームに対する継続的なリソースの投入があれば
 こそのプラットホームの継続的な発展です、OSSであろう
 となかろうとこの点は変わりません。


 GoogleAndroidというプラットホームから何ら収益を
 得ていません、GoogleにはAndroidプラットホームの
 継続的な発展に対する投資をし続けなくてはならない
 理由がありません。


 オープン(ソースの)プラットホームであることはプラット
 ホームの継続的な発展を補償しません。
 OSSであることはプラットホームに対する継続的なリソース
 の投入を補償しません。


Android、ダメぽ。


推敲中...。